Kaspersky Mobile Security 9の概要
機能充実のAndroidセキュリティ
すでに脅威として認識されているウイルスはもちろん、怪しい挙動をする未知のウイルスや、新種のウイルスを検知する機能に強みを持つESET。
Android版の公開にあたって、その部分に力を入れるという方向性は維持されており、PC版で好評を得ていたヒューリスティックはAndroid版にも採用されています。
携帯端末向けのセキュリティソフトとして、盗難や紛失への対応もしっかりとられています。
主な機能
ウイルス対策
プライバシー管理
盗難、紛失対策
スパム対策（着信、ショートメッセージフィルター）
＜メイン画面＞
ウイルス対策
「セキュリティが厳しすぎて安全なファイルまで引っかかってしまう」「チェックが厳しすぎて動作が重い」…これはPC版のカスペルスキーに付きまとってきたイメージですが、良い意味でも悪い意味でもそのポリシーはAndroid版にも貫かれています。
ウイルススキャンについてはかなりの精度で、さらにスキャンする範囲の指定など、かなり高性能です。
＜ウイルス対策管理画面＞
＜ウイルススキャン画面＞
端末全体のスキャン、フォルダごとのスキャン、そしてSDカードなどのメモリをスキャンできます。
この実験ではフルスキャンに7分33秒掛かりましたが、これは他のソフトと比べてもかなり長いです。
＜ウイルス対策の拡張機能＞
ファイルタイプ別のリアルタイム監視、定期的なウイルススキャン、ウイルス定義ファイルのアップデート設定などが出来ます。
かなり細かいという印象で、さすがは有料ソフトです。
プライバシー管理
個人情報やプライバシーのかたまりである携帯電話を情報漏洩から守る機能が実装されています。
＜プライバシープロテクション管理画面＞
アドレス帳や受発信履歴、SMSなどの情報を隠す設定が可能で、携帯を盗み見された時のプライバシーを守ります。
盗難、紛失対策
カスペルスキーには、端末の盗難、紛失対策の機能があります。
「Anti-Theft」を使って、携帯が盗まれたり持ち去られた際に遠隔ロック、GPSによる位置特定、データの削除などが可能です。
＜Anti-Theft管理画面＞
「Block」…SMS発信による遠隔ロック
「Data Wipe」…SMSによる遠隔操作でデータ消去
「SIM Watch」…SIMカードが抜き取られた場合にロック
「GPS Find」…GPSによる位置特定
＜持ち去りのアラート＞
秘密コードを発行し、それを別の携帯電話で受け取っておくと、端末を持ち去られた時にそれを発信すれば遠隔ロックが出来ます。
この画面はデフォルトで「この端末はブロックしました。持ち主に返してください」となっていますが、日本語で設定することも可能です。
＜GPSによる位置特定＞
「Enable GPS Find」をオンにしておくと、他の携帯電話からSMSを発信することで位置を特定することが出来ます。
他の携帯電話からのSMSが届くと、右画面のように人工衛星のアイコンが現れ、位置の特定作業をしていることが分かります。
スパム対策
不要な電話、迷惑なメール、SMS（ショートメール）などを設定に基づいてブロックします。
設定の方法は2通りで、ブラックリスト（指定の電話、メールを拒否）、またはホワイトリスト（指定の電話、メールだけを許可）から選ぶことができます。
＜着信フィルター、メールフィルター設定画面＞
＜ブラックリスト、ホワイトリストの切り替え＞
どのようにスパム電話やメールをブロックするのかを切り替えます。
Both listsにすると、最も強いセキュリティになりますが、必要な着信に気づかないことがあるので注意して下さい。
＜着信フィルター、メールフィルター設定画面＞
左はブラックリスト、右はホワイトリストに追加をする画面です。
ブラックリストに入れた番号からの着信とSMSを拒否し、ホワイトリストに入れた番号以外の着信とSMSを拒否します。
動作の軽さ
Kaspersky Mobile Security 9のウイルススキャン所要時間：7分4秒
スキャンの対象：端末内の全ファイル（フォルダ毎、メモリカードのスキャンも可能）
端末起動1時間後のメモリ使用量：14MB
かなり強固なセキュリティなので、もっとメモリを使用しているかと思いましたが、意外に標準的でした。
ただし、電池消費についてはかなり高レベルです。
導入の手順
Androidマーケットで「カスペルスキー」や「セキュリティソフト」などを入力して、検索します。
「Kaspersky Mobile Security」を見つけたら、そこをタップします。
後は、画面に従って「インストール」をタップするだけです。
＜Androidマーケット検索画面＞
右上にある虫メガネのアイコンをタップします。
＜検索画面＞
検索窓が出てきたら、「カスペルスキー」を入力して、右下の「実行」をタップします。
＜インストール開始＞
「Kaspersky Mobile Security」が見つかったら、そこをタップします。
＜課金情報の入力＞
Kaspersky Mobile Security 9は有料ソフトです。
1089円の課金情報を入力してからのダウンロードになります。
＜インストール完了後＞
正規ユーザーの登録、シークレットコード（起動時に必要になります）、リカバー用のシークレットコードを受信するメールアドレスの設定をして、初期設定完了です。
アンインストール方法
ESET自身が不正なアンインストールを防御する機能を備えているため、たとえ持ち主であっても普通にアンインストールしようとしても出来ません。
先に管理者の権限でESETの設定を変更する必要があります。
＜設定ボタン＞
スマートフォンのメイン画面で、「設定」をタップします。
＜アプリケーション＞
「アプリケーション」をタップし、アプリ設定画面に進みます。
それぞれ、赤い囲みをタップします。
＜アプリケーション管理＞
「アンインストール」→「OK」とタップすれば、後は自動的に削除されます。
システム要件
キャリア：NTTドコモ、au、ソフトバンク
対応OS：Android OS 2.1以上/3.0
インターネット接続（アプリダウンロードのため）
まとめ
良い意味でも、悪い意味でも「さすがカスペルスキー」だと思わされる設計になっています。
少々動作が重くなってでも強固なセキュリティを実現しているので、とにかくセキュリティを強化したいという方には最適です。
有料ソフトとしては当然なのかも知れませんが、Android端末に必要なセキュリティ機能は全てが網羅されている印象です。
決して高くはない金額だと思いますので、特に最新の端末を持っている方には強くおすすめします。
価格
9.99ドル （2011年6月現在、日本円で1089円）